Introduction


「誘拐された我が子を迎えに行かず見守ってるのってどう思う?」

この作品はそんな一言から生まれました。


人と人との距離が徐々に遠くなっている現代。

コロナ禍で更に独りだと感じる人が増えました。


本気で人と向き合うというのはどういうことなのか。

人の数だけ幸せの形は違い、それは角度を変えれば全く違って見える。

それなのに、一方から見ただけの誰かの幸せを勝手に決めつけてはいないか。

全く違った価値観を持つ人間の話を映画にすることで、

大切な人との向き合い方が今よりもっと繊細になるかもしれない。

この作品が、生きづらい誰かの共感になれるかもしれない。

その想いで集まった仲間により、この企画は走り始めました。


キャスト、スタッフ、スケジュール、ロケ地も決まっていた撮影数週間前に、

当初予定していた監督が病気のため入院。

病状を見守りましたが改善されず、コロナ禍ということもあり、

大事を取ってもらうという判断に至り、撮影直前に監督不在という状況になりました。


それでもこの作品をなんとか完成させたい、観客に届けたい。


その想いから、残ったメンバーで企画を続行。

スケジュールを動かすことも難しい状況下でしたが監督は妥協したくなく、必死に探しました。

そんな中、古澤健監督を紹介して頂き、脚本を読んでいただける機会が訪れました。

撮影初日まで二週間を切っているにも関わらず、「この脚本だったらやりたい」と引き受けてくださいました。


撮影を終え、トラブルを乗り越えたこの作品を、最後まで妥協せず作り上げたいという気持ちと、

一人でも多くの方に届けたいという気持ちが更に強まりました。

それにより、クラウドファンディングで皆さまにお力添えをお願いすることを決めました。


80名の方々のご支援により、目標の800,000円を大幅に超す形で終了。


ギリギリで救い上げられた挑戦を形にし、全国の映画館で公開することを目指し大きく動き始めました。